【1】高校卒業時まで、手取り収入から教育費を捻出できるか
もし「中学受験塾にかかるお金を貯めないといけない」と思っているなら、そもそも私立中学への進学はおすすめしません。なぜなら、受験塾にかかるお金(目安は小4~小6の3年間で合計200万~300万円+10万円単位の講習費数回分)をさらっと払えない家計では、私立中学進学以降、苦しいことが見えているからです。
中学受験を経て中学から大学まで私立に通った場合、どれぐらいの教育費がかかるのでしょうか。子どもが1人、2人(3歳違い設定)、3人(2歳違い設定)の場合にかかるそれぞれの年間教育費の目安をシミュレーションしてみました(下図参照)。なお大学は私立文系の場合です。毎年手取りから捻出できるか、参考にしてみましょう。
赤枠は特に多くかかる時期(年間合計教育費200万円超)で、子ども1人なら1年間、2人なら10年間、3人なら13年間、200万円以上の教育費がかかる計算になります。当然のことですが子どもの数が多いほど、その負担も膨れ上がります。なお、私立の学費は上昇傾向にあるため、実際にはもっと高くなる可能性もあります。
このデータは全国平均であり、学校によってはもっとかかります。筆者の子どもは私立中高に通いましたが、学費以外のイベント費、制服費などを考慮するとデータを軽く上回ります。行かせたい学校が決まっている場合は、ホームページ等で学費や諸経費のデータを早いうちに調べておくと良いでしょう。
【2】大学資金の不足分を事前に準備できるか
昨今は、子どもが大学入学する頃に50代後半~60代になっているケースも少なくありません。人によっては役職定年を迎えたあと、または再雇用などによって、働いていても年収が下がっている場合もあるでしょう。
子供の大学在学中の自身の収入を予想して、その収入から教育費が払えるかどうかをシミュレーションしてみてください。収入の範囲では足りなそうな場合は、大学入学までに不足分を貯蓄しながら、私立中高の学費を払っていけるかを考えましょう。
収入の範囲で大学の教育費を払える場合でも、万が一の収入減少リスクを考慮して、一般的には大学資金として、子どもの18歳時に少なくとも300万円(子ども1人あたり)を準備しておくと安心と言われます。