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【ゼンショー・パーソル・オープンハウス】巨額の個人資産を築いた“高卒経営者”の「成功の秘訣」

ニッポンの「高卒億万長者」11人

ニッポンの「高卒億万長者」11人

 ビジネスでの成功に学歴は必要ない──大きな富を築いた経営者たちの歩みからは、そんな気づきが得られる。実際、5月31日にフォーブスジャパンが公表した2023年版「日本長者番付」では、最終学歴が“高卒”の人物が上位50人中11人を占めた。

 その筆頭が、長者番付の常連である2位のキーエンス名誉会長・滝崎武光氏(78)。資産はソフトバンクグループの孫正義氏を凌ぐ3兆1700億円だ。ほかにも上位には最終学歴が高卒の人たちが多く名を連ねており、巨額の個人資産を築いた商売人たちは必ずしも高学歴というわけではない。彼ら・彼女らはいかにして成功者となり得たのか。その素顔と仕事の哲学をみていく。

「あんなにできる男はいねぇ」

 全共闘世代で、大学に入学はしたものの中退し、高卒の最終学歴で23位にランクインしたのが『すき家』を展開するゼンショーホールディングス会長の小川賢太郎氏(74)だ。

「東大中退」という異色の経歴からのし上がり、一代で売上高8000億円の企業を築いた。経済ジャーナリストの有森隆氏が解説する。

「1968年に東大に入学した小川氏は全共闘の活動家でした。1970年に東大安田講堂事件で敗れたことをきっかけに大学を中退し、横浜の港湾労働者になります。沖仲仕として労働運動を闘い、その時に手強い相手となった資本主義経済に興味を抱く。それを機にむしろ資本主義に則り、『飢えと貧困をなくす』という理想を掲げるようになるのです」

 その後、小川氏は「これからは外食産業だ」と1978年、吉野屋に就職する。外食ジャーナリストの中村芳平氏が語る。

「東大中退で外食業界に入るのは極めて珍しかった。当時吉野家は直営とフランチャイズで200店舖に急拡大したが、創業者の故・松田瑞穂氏は経営には疎く、1980年に倒産します。小川氏は1980~1982年の2年ほど、吉野家の経営企画室長としてフランチャイズオーナーや銀行などと対峙しました。しかし、吉野家の経営の決断は遅く、これなら自分でやると32歳で独立します」

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