前澤氏は以前、インタビュー(『ベンチャー通信42号』2010年12月号)で、こう語っている。
〈僕が大学に進学していたら、絶対に学生運動をやっていたと思いますよ。学生にはそれぐらいのパワーが欲しいですね。なんか僕の目からは、今の学生は社会のレールに沿った“いい子ちゃん”に見えるんですよ。(中略)だから反骨精神を持って、ヤンチャな学生生活を送ってください〉
前澤氏の世代は日本が豊かになり大きな挫折が少なくなった世代だが、社会のレールにとらわれないことで、大きな成功を得られたのだろう。前出の福田氏が言う。
「最近の起業家はITなどの専門知識を必要とするスペシャリストが多く、昔ながらの体育会系タイプなどは通用しなくなってきているように思えます。ただし、時代は変化しても成功者の共通点は“人間力”。信念を持ち、どん底から這い上がった経験を持つ経営者は人の心が分かる。だからこそ、顧客や仲間、部下たちを説得し、動かすことができるようになるのだと思います」
時代は変わっても、“成功の秘訣”には通底するものがあるのかもしれない。
※週刊ポスト2023年6月30日・7月7日号