バブル世代の退職が今よりも大きな賃金上昇を促す
私の見立てでは、利上げは2030年以降と考えており、そこまでは金融緩和が続くと見ています。その起点となるのは、バブル世代の退職です。
日本の労働者の年齢別分布を見ると、バブル世代が大きな割合を占めています。バブル世代が退職すると、全産業で一気に人手不足に陥ります。そのことで今よりも大きな賃金上昇が促され、それが持続するでしょう。
そのタイミングになって、日銀は「金融緩和を続けて景気を下支えする必要はない」との判断に傾くのではないでしょうか。
マイナス金利の今は非常事態ですので、いずれは正常化に向かいます。ただ、利上げとなると、まだ先になるものと考えています。住宅ローンを組んでいる人、これから組もうと考えている人は、そうした考え方も頭に入れておいてほしいと思います。
【プロフィール】
塩澤崇(しおざわ・たかし)/住宅ローン比較サービス「モゲチェック」の取締役COO。モルガン・スタンレー証券にて住宅ローン証券化を担当。その後、ボストン・コンサルティング・グループにて大手金融機関などを中心とした戦略コンサルティングに従事。現在は住宅ローンアナリストとして、テレビや新聞などに登壇。TwitterやYouTubeで住宅ローンの最新情報を発信中。SNSでは「モゲ澤」という別名も。