「そういえば」と区切りをつけて本題に移る
私が雑談をする際は、「そういえば」というフレーズを挟んで、第1部と第2部の2部構成で話をすることを意識しています。
第1部は、本題に入る前のフリというか、完全な雑談です。野球やゴルフ、サッカーなど、何か共通の話題で雰囲気作りをしてから、「そういえば」と区切りをつけて、第2部に入ります。
「そういえば、この間のあの件なんですけど、あれってこういう風に考えているんですけど、どうですかね?」
この問いかけが、どうでもいいことを聞いているようで、実は相手から最も聞き出したい話なのですが、改まって聞くよりも、「ついで感」を出しながらの方が、相手も本当のことを言いやすくなります。
「ああ、なるほど。そういうことなんですね」
こちらの反応が雑談風の軽いものであれば、相手も安心して、さらに説明を付け加えやすくなります。「雑談」と「本題」を無理して切り離して考える必要はなく、できるだけ雑談で仕事を終えるようにすれば、仕事をスムーズに進めることができます。
ありがちなパターンとして、「ちょっといいですか?」と言って本題に入る人も多いようですが、それではあまり効果がなく、もったいない雑談になってしまいます。ちなみにここで紹介した雑談の2部構成は、リアルのコミュニケーションで使うことを前提としています。今はチャットでのやりとりも多いと思いますが、その場合は2部構成のうちの第1部を入れづらい面があるのでご注意ください。
【プロフィール】
山本大平(やまもと・だいへい)/戦略コンサルタント、事業プロデューサー。1978年大阪府生まれ。2004年にトヨタ自動車に入社し、新型車の開発業務に携わる。その後、TBSで「日曜劇場」「レコード大賞」「SASUKE」などのプロモーション等に関わる。さらにアクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を積み、2018年に経営コンサルティング会社F6 Design株式会社を設立し代表取締役に就任。著書にベストセラー『トヨタの会議は30分』(すばる舎)など多数。
※山本大平・著『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)より一部抜粋して再構成