森口亮「まるわかり市況分析」

好調日本株に隙はないのか? 7月に「相場の急変動」を警戒すべき3つの理由

日経平均はバブル後最高値を超え、依然高値水準にある(写真:時事通信フォト)

日経平均はバブル後最高値を超え、依然高値水準にある(写真:時事通信フォト)

 日本株の上昇基調が目立つ。33年ぶりのバブル以来高値を更新し、日経平均3万3000円を超える水準まで到達した。はたして今後もこのトレンドは続くのか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが、政治や金融政策を分析しながら、今後の日本株の見通しを解説する。

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 日本株の上昇が目立っています。今年5月には、33年ぶりバブル以来の高値を更新したと話題になりましたが、その後も株価の上昇が続き、過熱感から売り方の動きも活発になっていますが、その買い戻しも巻き込んだ上昇となっているようです。今後も上昇が続くという強気派の意見も目立ちますが、冷静に相場を見ていくと、7月の急変動リスクも生じているように思えます。今回は、日本株における7月の急変動を警戒する3つの理由について考えてみましょう。

【1】内閣支持率がどう変化するか

 2022年の12月を底として、岸田文雄・首相率いる内閣支持率が上昇傾向にあります。背景には、日韓関係の改善や、岸田首相のウクライナ訪問、G7広島サミットなど、外交努力が評価されたようです。直近では下落しているとはいえ、昨年末から比べると高い水準です。

 内閣支持率が株価に直接影響するわけではありませんが、不安定な政権よりも一定の支持率を得ている安定的な政権下の方が、海外投資家から投資資金が入ってきやすい傾向にあります。景気対策もそうですが、内閣支持率の上昇は資金流入につながる要因の一つだと考えています。

 ここのところ、市場では岸田首相による衆議院解散の可能性が取り沙汰されていました。解散総選挙となれば、追加的な政策が出やすくなり、選挙結果や政策の内容次第で支持率にも大きな変化が生じる可能性があります。そうなれば、当然、海外資金の動向にも影響を与えるでしょう。岸田首相は6月15日に解散見送りを表明しましたが、今後の動向も注視する必要がありそうです。

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