専門家が教えるゴキブリの知られざる「謎」
まだまだ知らないことも多いゴキブリの生態。恐怖とは、相手のことをよく知らないからこそ感じるもの。知れば嫌悪感が薄れるのかもしれない。ゴキブリを愛する研究家たちにその魅力(?)を教えてもらった。
●ゴキブリは臭い?強烈に臭いものから芳醇な香りまで
「身を守るため、においを放つゴキブリもいます。魚が腐ったような腐敗臭や青りんごを思わせるにおいなどさまざまで、クロゴキブリはじんわり香る油のようなにおいがします」(柳澤さん)。
部屋が油臭いとゴキブリがいるサインかも?
●命の危険を感じたら切り離す。殺虫成分すら通さない頑丈な卵鞘
「チョコレート色で小豆ほどの大きさのクロゴキブリの卵鞘には22~26個、チャバネゴキブリの場合は30~40個の卵が詰まっています。メスは命の危険を感じると、この卵鞘を体から切り離して逃げることがあります。卵鞘は頑丈で、殺虫剤をかけても薬剤が浸透しづらいため、駆除するには卵鞘ごと潰す方法があります」(アース製薬)
●実は後退できないし、飛ぶのも苦手だったりします
「ゴキブリは体の構造上、後ずさりができず、進行方向にしか進めないという性質があります。また飛ぶのも苦手で、羽ばたくことはできますが、基本的には、高い場所から滑空する(落ちる)かたちで飛びます」(アース製薬)。
人間から見ると、襲ってくるように見える行為だが、実はゴキブリにとっては不本意なのかもしれない。
●ゴキブリとカマキリは親戚だった!?
「生き物の分類で見ると、ゴキブリとカマキリは共通の祖先から分岐した近い存在です。姿形はまったく異なりますが、卵鞘を産む、お尻に尾肢というツノのようなものが生えているなど、共通する特徴が多く見られます」(柳澤さん)