他人の情報がマイナンバーカードに紐づけられるトラブルが続出。政府は2024年秋から「マイナ保険証」に一本化する方針だが、『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子さんは不安を抱えている。それはカードについてよりも、自分の性格に起因する部分が大きいという。野原さんが、過去に何度も大切なものを失くしてきた経験を振り返る。
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もぅ、どうしよう──って、マイナンバーカードの話よ。
仕事をすると必ず、仕事先から「マイナンバー登録のすすめ」が届くの。そのお達しにはできるだけ速やかに応じたい。けれど面倒なことは延ばしたい。それでなくても役所の手続きは、面倒なことのトップ3に入る。よほどのことがない限り、延ばせるだけ延ばして……と思っていたら、「来秋に健康保険証を原則廃止してマイナ保険証に一本化する」なんて話が聞こえてきて……ちょ、ちょっと待ってよ。
マイナンバーを提示しなくても、仕事先は「振り込みません」とは言わないけれど、健康保険証が使えなくなったらどうするの。
昨年秋に“卵巣がんの疑い”で手術した私は、「10年間は経過観察をします」と告げられている。3割負担の国民健康保険証を失ったらどうなるか。
7才年上の女友達も「年寄りを動かすのに、健康保険証を“質草”にするって、ひどくない?」と怒ってる。
「マイナンバーカードを使ってコンビニで住民票を受け取ったら別人名義だったとか、健康保険証として使ったら別人の医療情報だったってことがかなりあったっていうじゃないの。なのに、銀行口座とか税務申告にもひもづけるっていうんでしょ? もう、どんな恐ろしいことが起きるのか、わかったもんじゃないわよ」
ごもっとも。