昨今、中学受験をする家庭が増えているが、子供よりもむしろ親が熱心というケースも多い。そのなかには、「子供の学歴」で自身の存在意義を確かめるべく、他人に自慢しようとする親もいるという。子供の学歴を“手札”にした、マウント合戦に巻き込まれたことがある人たちに、話を聞いた。
模試結果の「判定」に「どうだった?」
メーカー勤務の50代女性・Aさんには、現在中学受験を考えている息子がいる。面倒なのは、同じ塾に通う同学年の息子がいる近所のママ友だという。
「慶応でB判定だとか、早稲田はA判定だとか報告してくるんですよね。それだけならいいんですが、私の息子についても、『どうだった?』と聞いてくる。志望校だけならどこの学校でも書けるのに、それを目指すうちの子は頭がいい、と言わんばかりです。息子は早慶だとC判定が多かったし、ほかの親に息子の頑張りを否定されたくないので、『まあまあですよ』と濁しました」(Aさん)
結果、友人の息子は慶応へ。Aさんの息子は「偏差値55ぐらい」の私立校に進んだ。これで友人のマウントが終わったかと思いきや、数年後、今度は「大学受かった?」と聞いてきたそうだ。
「地方の国公立大だというと、『わざわざ地方に!? うちは慶応に進学するよ。やっぱり中学で受かっていると楽よね』などと返されました。『すごいねー。私大は学費が高いのに』と皮肉交じりに返しておきましたが、いちいち相手にするのが本当に面倒(笑)。思えば、彼女は夫の出身大学、勤務先などを事あるごとに口にするタイプでした。身内の学歴自慢をする人って、自分に自信がないのかなあという感じで見てしまいますね」(Aさん)