東京オリンピック・パラリンピック選手村として使われた大規模マンション「晴海フラッグ」が注目を集めている。割安感から人気が高まり、販売時の最高倍率は266倍にもなった。晴海フラッグだけでも5000戸以上の超大規模プロジェクトだが、その周辺では計9棟ものタワーマンションの建設が進行中だという。住宅ジャーナリストの日下部理絵氏がレポートする。
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何かと話題の「晴海フラッグ」。いわずと知れた東京オリンピック・パラリンピックの選手村として使われ、現在、改修が進んでいる大規模マンション(総戸数5632戸、うち分譲4145戸)である。
晴海フラッグといえば、「転売ヤー」の出現や最高倍率266倍。タワーマンション「HARUMI FLAG SKY DUO」の発売も開始され、盛り上がりに拍車をかけている。この「晴海フラッグ」をはじめ、約1.5キロ圏内に、これからたった5年間で9棟ものタワマンが建設されるのをご存じだろうか。
タワマンが多く建設されれば人口が増え、街の再開発も進み資産価値も上がると歓迎される一方で、この短期間でのタワマン建設の裏には、「反対運動」も起こっている。近隣住民はいったい何に反対しているというのか──。
まず9棟のタワマンを順番にご紹介しよう。
勝どき、豊海地区にもタワマンが5棟
晴海フラッグの発売当初は、近い棟でも最寄りの勝どき駅から徒歩16分、遠い棟だと20分という立地の問題や、海沿いの埋立地ということもあり、苦戦も見られた。
しかし、オリパラ延期などのさまざまな社会情勢の変化や、新築価格の高騰で割安感が強まったことなどもあり、「転売ヤー」が出現するほどの大人気物件となっている。転売対策として、個人・法人に限らず、「1名義2戸までの申し込み」という販売制限もかかるほどである。
晴海フラッグといえば、広い敷地に均一に見える建物が複数あり、まるで未来型都市団地ともいえるような風貌であるが、その中に冒頭でも触れた地上50階建てのタワマン2棟「HARUMI FLAG SKY DUO」(総戸数1455戸)が建設中だ。
オリパラの選手村を改修し販売される板状棟とは異なり、タワー棟は新たに建設される建物ということもあり、既に狙いを定めている人も多いという。