投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月3日~7月7日の動きを振り返りつつ、7月10日~7月14日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は800.62円安の32388.42円で終え、反落。先週週明けは564.29円高と大幅に反発し、終値でバブル崩壊後高値を更新した。四半期末に伴う年金基金の持ち高調整が一巡し、あく抜けが意識されたほか、6月の日銀全国企業短期経済観測調査(短観)で大企業・製造業の業況判断指数(DI)が予想以上に改善したことなどが好感された。しかし、日経平均はその後週末まで4日続落。高値警戒感が意識されたほか、7日、10日に予定されている上場投資信託(ETF)運用会社による分配金捻出に伴う換金売りなど需給悪化が懸念された。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨や米雇用関連の指標を受けて追加利上げ観測が急速に高まったことも重石となった。
今週の東京株式市場は一進一退か。国内では月次売上動向で既に警戒感が高まっているファーストリテイリング<9983>をはじめ3-5月期決算の発表が終盤に入る。個別株物色の活発化が全体を下支えすることに期待したい。また7日引け後に発表された安川電機<6506>の第1四半期決算で四半期受注の底入れ感が確認されており、今後の主力製造業決算に対する期待も全体相場を支えそうだ。
一方、米国の強い雇用関連の指標を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げ観測が高まっている。米10年債利回りは6日に4%を超え、3月2日以来の高水準にまで上昇。米10年債利回りから期待インフレ率の指標とされる米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)を差し引いた米10年実質金利は6日に1.77%まで上昇し、過去10年における最高水準にまで上昇した。金利高がハイテク・グロース(成長)株の調整を招くようであれば、先週末に25日移動平均線を割り込んだ日経平均の調整色が濃くなる可能性がある。
12日に米6月消費者物価指数(CPI)、13日には米6月卸売物価指数(PPI)が発表される。CPIは前年比+3.1%と5月(+4.0%)から鈍化する見込みだが、前月比では+0.3%と5月(+0.1%)から加速する見込み。一方、食品・エネルギーを除いたコア指数では前年比+5.0%、前月比+0.3%とそれぞれ5月(+5.3%、+0.4%)から鈍化する予想。PPIは前年比+0.4%と5月(+1.1%)から大幅に鈍化する予想だが、前月比では+0.2%と5月(-0.3%)から加速に転じる見込み。食品・エネルギーを除いたコア指数では前年比+2.5%と5月(+2.8%)から鈍化、前月比では+0.2%と5月(+0.2%)から横ばいの予想となっている。
CPIおよびPPIともに総合もコアも前年比では大きく鈍化する見込みであるが、強い雇用関連の指標を受けてから強まっているFRBの追加利上げ観測を緩和させるほどの影響があるかは微妙なところだ。むしろ、下振れた場合は想定線、上振れた場合はネガティブに捉えられる展開に注意を払っておく必要があろう。