年初の日経平均株価が2万5000円台だったことを考えると驚異的なハイペースの高騰が続いているが、長期的な視野を持つプロたちは将来的に「現在の2.5倍近くまで上がる」と読んでいる。
6月28日には、日本経済新聞(電子版)に〈「日経平均8万円、外国人は納得」シンガポール助言会社〉という見出しが躍った。在シンガポールの投資顧問会社で社長を務める藤原徹一氏が同紙のインタビューに答え、日経平均株価は2030年をターゲットにした場合、8万円台まで上昇しても不思議ではないと言及したのだ。そして、少なからぬ投資のプロたちがこの意見に賛同していることがわかった。
この上昇局面で、日経平均株価に連動するETF(上場投資信託)などを長期保有するのもアリだが、さらなる上値を目指すべく「ほったらかしで資産2.5倍」を期待できる個別株を投資のプロが厳選、別掲の表に示した。グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が語る。
「長期保有を前提に考えると、先端技術や画期的なビジネスモデルなどによって各分野で独自の強みを持ち、圧倒的なシェアを誇る企業は今後の成長が期待できます」
そこで戸松氏はまず、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」関連銘柄を推す。
「経営コンサルティングやデジタルコンサルティングなどを行なうINTLOOPは、DX化の恩恵で急成長し、前期まで10期連続増収。今期も大幅な増収増益を見込んでいます。ビッグデータを活用してあらゆる情報を分析して、顧客のニーズや本音などを探るデータ分析プラットフォームなどを提供するプラスアルファ・コンサルティングは、収益性と安定性、そして成長性を兼ね備えた注目企業といえます」
医療従事者向けに医療情報を提供するサイトを運営する医薬DX企業のケアネットも、「株価上昇の余地は大きい」と戸松氏は見る。
DXはデジタル技術によって既存の業務効率化や生産性の向上を図るだけでなく、組織やビジネス、社会の仕組みそのものを変革するのが狙いだ。政府による推進もあり、今後ますます企業のDXが加速するのは必至。長い目で見たいテーマだ。