若い世代が職場の飲み会を嫌うイメージだが、実はそうとも限らない。R&C株式会社が7月に発表した「年代別の飲み会に対する意識調査」(20~50代の社会人男女1000人を対象)によると、職場の飲み会について「好き」「どちらかといえば好き」と答えた年代で最多は20代(46.0%)。一方、50代(27.6%)は最も少なく、職場の飲み会が「嫌い」「どちらかといえば嫌い」(36%)も最多は50代だった。
意外にも50代で飲み会嫌いが多いという結果だが、どういった理由からなのか。「特に職場の飲み会は、昔から嫌だった」という50代の社会人たちに、話を聞いてみた。
上司の飲みに付き合うのが苦痛だった
メーカー勤務の男性・Aさん(57歳)は、「やっと飲み会が嫌いだと言えるようになった」と笑う。
「いまの50代後半くらいの世代は、若い頃に“新人類”と言われたんですよ。常識がないとか、それまでの価値観が通用しない、という感じでひとまとめにされました。僕の友人にも、会社の飲み会を断ったり、飲み会が業務の延長線上にあることに疑問を抱く人はいました。でも、飲み会が嫌いだとは言えない風潮があったんです」
Aさんは、自身の飲み会での苦い体験もあり、職場で誰かを飲みに誘うことはほとんどないそうだ。
「若い頃、CMの影響なのか『5時から男』という言葉が流行っていました。仕事中ではなく夕方以降が“本番”で、元気に飲みに行くみたいな雰囲気が実際にあったんです。その音頭をとるのが上司で、その飲みに付き合うと、とりあえずめちゃくちゃ飲まされる。断る選択肢はなく、同僚の中には、『飲めなかったのに、飲まされるようになった』というヤツも結構いました。今思えば絶対に体に悪いですよね。
しかも、必ず説教がセット。なんなら“職場で言えない話を始める”という感じで、同じ話を何度も聞かされます。仕事の話は職場でしろよって思っていましたし、それが苦痛だったので、それを反面教師としています」(Aさん)