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アイドルライブ会場で問題視される「金銭を介した座席交換」 よりよい座席を求めて“札束で殴る”ファンも

会場ではスタッフの目の届かないところで不正行為が…(イメージ)

会場ではスタッフの目の届かないところで不正行為が…(イメージ)

「推し活」ブームの昨今、好きなアイドルを応援すべくライブ会場に足を運ぶファンは多いと思うが、そこで長らく問題となっているのが、チケットの不正転売や不正入手だ。デジタルチケットサービスの導入にともない、最近ではチケット転売への対策が各種サイトで講じられている。電話番号での認証や同行者登録システム、現地での身分証の提示などだ。

 しかし、さまざまな方法で転売を防止しても、会場ではスタッフの目の届かない範囲で不正行為が横行している現実がある。たとえば高額を提示してより良い座席と交換しようとする「座席交換」や、上手サイド(ステージ向かって右のエリア)と下手サイド(同左エリア)のチケット交換を求める「サイドチェンジ」といった行為だ。

「現場の客同士の交渉で、どちらも納得したうえでなら問題ない」と考えている人もいるようだが、規約にも座席の交換や移動について禁止事項として明記されているケースは多く、問題視されている。

中高生たちは交換を求められても「断りづらい」

 実際に、男性アイドルグループの公演に訪れ、会場内でチケット交換を持ちかけられたという女子学生・Aさん(19歳)は、当時の様子をこう語る。

「私が高校3年生だったころ、コンサート会場で座席交換を持ちかけられました。そのときは上手側、メインステージの前から2列目で、友人と2連(2席横並び)だったんです。そしたら社会人のお姉さん2人組がきて、『4万円で席交換してもらえる?』と話しかけてきました。

 その人たちは後ろの方のブロックで、下手側のほうの座席だったみたいです。私たちのうちわを見て、『○○くんなら、下手側の席の方がよく見えると思うよ! 交換できる?』と……」(Aさん)

 Aさんは、友人と一緒に座席交換を断ったというが、その後も女性2人組は、中高生くらいのファンに座席の交換を持ちかけていたという。Aさんが続ける。

「知らない人から現金をもらうことも怖かったし、私たちは神席を自引き(自力で当てた)したので、交換したくなかった。勇気を持って断れたからよいですが、気が弱い人なら断りづらいし、お金に困っている人なら交換してしまうと思います」(同前)

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