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【文字が読めない・書けない】世間に“勉強不足”と叱られ続ける「ディスレクシア」の生きづらさ

「ディスレクシア(識字障害)」の苦労とは(イメージ)

「ディスレクシア(識字障害)」の苦労とは(イメージ)

 まじめに勉強を頑張っても文字がうまく書けない、漢字を読むことができない……。文字に対してそんな苦手意識を抱えている人たちがいる。大人でも、鏡文字を書いてしまったり、しばしば存在しない漢字を書いてしまったりする人がいる。こうした症状には「ディスレクシア(識字障害)」という名前がある。ハリウッドでは、スティーブン・スピルバーグ監督のほか、俳優のトム・クルーズらもディスレクシアを公表しており、日本でもこの言葉が知られつつある。

 その症状はさまざまで、“文字は読めるが書けない”“書けるが音読速度が遅い”“たまに文字が鏡文字になってしまう”といった傾向がある。軽度の場合は識字障害や書字表出障害であることが自覚されない場合も多いという。

 自身も軽度のディスレクシアだと語る男性・Aさん(50代/会社員)は、自身の体験から、ディスレクシアへの認知度が低い社会への生きづらさを語った。

「日本語を使う人口のうち、5~8%がディスレクシアであると言われているそうです。私もディスレクシアであると気づくまでは、学校の先生や親から『もっと真面目に勉強を頑張れ』と注意されることが多く、『頑張ってもできない』という負い目を抱えて生きてきました。細かい文字がぎっしり書いてあると読めなくなったり、頑張っても書けない漢字があったりします。

 大人になってから軽度のディスレクシアであることが分かりましたが、識字障害についてもっと早く知っていればコンプレックスをここまで抱えずに過ごせたかもしれない、と後悔もあります。

 過去には、テレビのバラエティ番組で、おかしな漢字を書いてしまう大人を取り上げて笑うシーンを見たことがあります。その方の漢字のミスは明らかに識字障害の傾向があるもので、『社会からは笑われるものなんだ』と、悲しい気持ちになりました。努力が足りないとか勉強を頑張らない、というわけではなく、生来的な性質であることに、もっと理解が広まると良いと思います」(Aさん)

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