近年、全国の大学で広まりつつある「100分授業」。これまでは、半期で90分授業を15回のカリキュラムが一般的だったが、1コマを100分に時間を増やし、回数を14回とするのが「100分授業」の特徴だ。すでに早稲田大学、上智大学、明治大学、立教大学、中央大学、法政大学、日本女子大学などで導入されており、2024年度からはさらに拡大する見通しだ。
大学設置基準が改正されたことで、2010年代後半から100分授業を導入する大学が増えているわけだが、双方向的な学びの拡充だけでなく、夏季休暇入りを一週分早められることで、ゆとりをもった学年暦を実現できるというメリットがある。学生たちにとっても、就職活動や課外活動にまとまった時間を費やせるので歓迎の声も聞こえてきそうだが、実際には不満の声が目立つようだ。
都内の私立大学に通う男子学生・Aさん(政治経済学部)は、次のように話す。
「これまでは90分で15回なので1350分でしたが、100分授業制だと14回で授業時間が合計1400分になります。一週間休みが早まるなんて言われていますが、授業時間が増えているのでまったく嬉しくないです。授業時間が増える分にはなんの問題もないと考えているのは、大学当局や教員側だけでしょう。ほとんどの学生にとっては苦痛です。
また、1コマが10分増えたことで新たな課題や小テストを実施するようになった授業もある。就職活動がしやすくなるなんて言いますが、学内の課題が増えるのは就活にも悪影響ですし、今すぐ90分に戻してほしいです」