休み時間の短縮で「昼休みがすぐ終わる」
キャンパスが広い大学では、休み時間の短縮で困ることもあるという。私立大学に通う男子学生・Bさん(教育学部)が話す。
「僕たちが普段使っている棟は大学キャンパスのなかでも奥まったところにあるんです。100分授業によって1限の始業時間が早まったので、みんな駅からバタバタと走って教室に向かっています。狭いキャンパスの大学ならまだしも、広いキャンパスだと困るんですよね。とくに昼休みに生協やコンビニがすごく混むので、食べ物を調達できたころにはもう昼休みがほとんど終わっている、なんてこともあります」
100分授業になったことで、ディスカッションやグループワークの時間が増え、「ぼっち」の居心地が悪くなったと話すのは、私立大学4年の男子学生・Cさん(文学部)だ。
「100分授業に移行してから、不満に思っていることが2つあります。まず、通常の講義科目のなかに、教授が楽をしたいのか、10分早く切り上げたりするケースが出てきました。それなら実質90分授業ですよね。早く終わるからと喜んでいる学生もいますが、制度的に破綻していると思う。
もうひとつは授業時間の半分をアクティブラーニング、たとえばディスカッションとかグループワークに充てる授業が増えたことです。僕は基本的に大学ではぼっち(ひとりぼっち)で受講しているので、知り合いがいない状態で毎回グループワークさせられるのがきつい。静かに黙って授業を受けたいのに、100分授業になってから予想外の皺寄せが増えています」
学内での教育の質向上や、学外活動の推奨などを目的に導入されている「100分授業」だが、学生たちからの評判は芳しくない様子。こうした声を聞いて、学校側は何を思うか──。(了)