このほか、タイヤ1本だけに問題があっても「バランスを取るため」「すぐにほかのタイヤも同じような状態になる」などと言い、「4本セットでの交換」を迫られることがあるという。
「タイヤ4本をすべて交換すれば、数万~10万円近い出費になります。業者からすれば、タイヤなどの高額なパーツ交換は利益を上げやすい側面があるため、積極的に勧めてくるのです」(同前)
タイヤ同様、店頭価格で2万~3万円程度はする「バッテリー交換」も勧められやすい項目だ。萩原氏が言う。
「バッテリーの平均寿命は3年程度とされますが、“無料のバッテリー点検”などを受けると、2年程度しか経過していない場合でも、『交換しないと車が動かなくなるかもしれない』と言われることがあります。しかし実際は、テスターで確かめて電圧が11.5V以上あれば、すぐに動かなくなる状態とは言えません」
このようなケースは決して珍しいことではない。民間整備工場で働くベテラン整備士が明かす。
「たとえばワイパーのゴムは劣化しやすく、車検ごとの交換が理想。ただし、毎回ブレードごと換える必要はありません。そうした説明をしないまま、作業を進めてしまう整備業者もいる。また、業者によっては、燃費向上や燃料タンク防錆を理由に、ガソリン添加剤や水抜き剤を強く勧めてくることもありますが、プロの立場からは効果に疑問があります。そもそも今の燃料タンクは樹脂製が多いのでサビを予防する必要がありません」