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【相続をめぐる誤解】相続税が発生するのは日本人のわずか8%、慌てて生前贈与すると損をする

財産総額で相続税の有無がわかるチェックシート

財産総額で相続税の有無がわかるチェックシート

日本人のほとんどが“相続税非課税世帯”

 安易な贈与は、いずれ身を滅ぼすことになりかねない。困るのは自分だけではない。円満相続税理士法人代表の橘慶太さんが言う。

「年間110万円を超える贈与を受けた場合、必ずもらった側が贈与税の申告をして現金で払わなければいけないことを知らない人も多い。申告期限を過ぎると無申告加算税がかかって、本来の税金の5%増しになってしまいます」

 しかも贈与税は多くの場合、相続税よりも高くつく。

「不動産の贈与を受けると不動産取得税がかかりますが、相続ではかかりません。登録免許税はいずれの場合もかかりますが、税率は贈与の方が高い」(明石さん)

 その“差額”は決して小さくない。税理士法人ベリーベストの税理士・岸健一さんが解説する。

「ケースバイケースですが、同じ資産額のものに対する贈与税は相続税の3、4倍は高くなるとイメージしてほしい。

 不動産の場合はより顕著です。330平米までの自宅の土地は、生計を一にする家族が相続すれば『小規模宅地等の特例』が適用されて評価額が8割減になり、場合によっては相続税がかからなくなります。一方、贈与の場合は評価額が下がることはない。贈与税は場合によっては相続税の10倍、20倍も高くなるケースも考えられます」

 そもそも相続税は、財産総額が「3000万円+600万円×法定相続人の数」までなら非課税。例えば、妻と子供1人の場合、夫が亡くなったときの財産総額が4200万円までなら、非課税で相続することができるのだ。さらに配偶者間の相続なら総額1億6000万円まで非課税になる。

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