自民党女性局の女性議員ら38人のフランス海外研修が大きな批判を浴びた。発端は、松川るい議員がSNSに投稿した画像があまりにも観光旅行風だと指摘されたことで、特にエッフェル塔前で3人の議員が両手を挙げてエッフェル塔ポーズをした写真は大顰蹙。松川氏はネット上で「エッフェル姉さん」と呼ばれるようになった。今回の件、いったい何がネットユーザーたちの逆鱗に触れたのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。
* * *
今回、なぜこんなに大きな問題になったのか。もっとも大きな理由は、国民の税金を使って給料を得ている国会議員が物見遊山的な観光旅行をしていた、と捉えられたことにあるでしょう。「血税で観光旅行」という批判に対しては、松川氏も「党費と各参加者の自腹で捻出しています」と釈明していますが、自民党には政党助成金も出ているわけですから、やっぱり回り回って税金が使われている、と考えられるわけです。
一部報道では、実質的な仕事の時間は6時間でしかなかったことや、松川氏が娘を同行させていて、在仏日本大使館員に面倒を見させていたことなども明かされています。
今井絵理子氏はこの「視察」の意義を「現地に行って分かることがある」的にX(Twitter)で力説していましたが、まぁ、庶民感情ではそこまで寛容になれない。というのも、もはや韓国やイスラエル、リトアニアにも年収で抜かれた衰退途上国・JAPANの無辜の民にとって、おフランス旅行なんて夢のまた夢。某旅行代理店のサイトを見ると、議員団と同じ3泊5日なら、309,800~684,800円となっています。しかもビジネスクラスやファーストクラスで行っているでしょうし、「セキュリティの問題があるから」との理由で高級ホテルに泊まったことは想像に難くない。とにかくお大尽旅行なわけです。
円安もあり、もはや日本人にとって海外旅行というものは、少し前までのカジュアルな存在ではなく、まさに清水の舞台から降りるごときハードルの高い行為になってしまったのです。