物価高でさまざまなものが値上がりしているが、コンタクトレンズも例外ではない。昨年11月にメニコン、今年4月にボシュロム、5月にジョンソン&ジョンソンが、調達コストの上昇などを理由にコンタクトレンズの値上げを実施した。
販売価格は店ごとに違うが、メガネスーパー公式サイトを参照すると、例えばジョンソン・エンド・ジョンソン製コンタクトレンズの販売価格は、ソフトレンズの1日・2週間使い切りタイプやサークルレンズなどの対象商品が、1箱250~1000円前後の値上がり。「ワンデー アキュビュー モイスト 30枚(通常価格)」は3960円から4345円で、385円の値上げ。両眼なら月額770円の負担増となる。
コンタクトレンズが欠かせない人にとっては、無視できない打撃。毎日使う必需品だけに、その負担増は小さくない。今回の値上げをどう受け止め、対応するのか。コンタクトレンズユーザーに話を聞いた。
1日使い捨てタイプから2週間使い捨てタイプへ
PR会社に勤務する30代男性・Aさんは、大学生時代から10年以上1日使い捨てタイプのコンタクトレンズを使っている。
「家ではメガネなので、リモートワークが増えたコロナ禍は使用量が減っていたんです。最近やっと毎日出社になり、久しぶりにコンタクトレンズを買おうと思ったら値上げ……。“コンタクトよ、お前もか”という感じでした」
Aさんが使っていた1日使い捨てタイプは、1か月分で約4000円。値上げを受け、Aさんはほぼ同価格の2週間使い捨て(90日分)に替えた。1日あたりにかかる費用を計算すると、ワンデーは約133円、2週間使い捨てタイプは約44円。2週間タイプは洗浄・保存液(500ml)が月額約1000円かかるが、その1日あたりのコスト33円を含めても、後者の方がコスパに優れているからだ。
「価格面は納得していますが、ケアが面倒なのはまだ慣れません。これまでは使い終わったら捨てるだけでしたが、洗浄液で洗ってからコンタクトケースに入れる手間が生じました。視力が悪いと生活費が余計にかかることを痛感しています」(Aさん)
ちなみに、コンタクトレンズにはサブスクサービスもある。2週間使い捨てタイプなら月額2000円ほどからで、Aさんは「使用頻度の高い人ならお得になるようですが、僕は時々メガネを使うので、割高になりそう。慎重に検討したい」と言う。