もはやインターネットは生活必需品。自宅にネット回線を引き、日常的にインターネットを活用するのも当たり前となったが、集合住宅の場合、通信速度の遅さに悩んでいる人も多いのではないだろうか。
現在日本国内における屋内のインターネット回線は、光回線が主流。光回線とは、光ファイバーケーブルを使用したもので、大容量のデータを高速で通信することが可能だ。しかし集合住宅の場合、光回線を引いていてもその性能を十分に活かしきれないこともある。
たとえば、マンションやアパートでは、共有部分まで光回線が引かれており、マンション内では一般電話回線で各部屋に配線される「VDSL方式」となっているケースがある。光回線の通信速度は、最大1Gbps、2Gbpsといった速度だが、VDSLの場合最大100Mbps程度であり、光回線の性能を引き出せないのだ。また、1本の光回線を各戸のネット回線でシェアするため、同時に多くの利用者がネットに繋がると、通信速度が遅くなってしまうことがある。これは、共有部分までが光回線で、マンション内ではLANケーブルで配線する「LAN配線方式」でも同様だ。
これが、建物内でも共有部分から各戸まで光回線でつながる「光回線方式」であれば、通信速度も安定する。
マンションの賃貸契約をする際、「光回線」であることが明示されていても、建物内でどんな方式で配線されているかまではわからないこともある。都内のマンションに住む会社員・Aさん(30代男性)は、自宅のネット回線の不安定さに困っているという。
「40戸くらいが入っているマンションに住んでいます。契約する際、“光回線”と書いてあったし、不動産屋も『ネットも余裕で使えますよ』と話していたので、安心していたんですが、いざ使い始めてみると、結構遅いんですよね。結論から言えば、VDSL方式だったということです。オンラインゲームをやるので、できれば通信速度は速いほうがいいし、安定していてほしいんですが、結構プツプツ途切れてしまうこともあった」
Aさんは、マンション内の配線を「光回線方式」に変更してほしいと、不動産屋に問い合わせたことがあるという。
「かなり大掛かりの工事になるということで、却下されてしまいました。普通に動画を観るくらいならそこまで不便はないので、納得するしかないかな……という感じです。オンラインゲームをプレイする頻度は減りましたけどね」(Aさん)