ホワイトナイトも出てこない
事業再生に関して森岡氏は「有効な策を打ち出すのは相当に困難だろう」とみる。
「資金繰りがタイトになっていく懸念があるだけでなく、企業としての信用が大きく損なわれているので、顧客が離れ、社員も流出しているという状況です。コンサルティング会社が現状の資産を詳細に把握して、ホワイトナイト(友好的な買収者)を探している可能性はありますが、この状況で救済の手を差し延べるところがあるとは考えにくい。
在庫の中古車を売却しつつ、同社にとって大きな資産である土地・建物を売却したり担保に入れたりしながら資金繰りしていくしかないでしょう。さらいえば不正の根幹部分となった車検・修理については業務停止や免許剥奪の可能性もあります。そうなると、法的整理や分割解体といったシナリオも、現実味を帯びてきてしまう」
もはや打つ手はないのだろうか。顧客を裏切るような行為を続けていたビッグモーターが、今回の不祥事で失ったものは、あまりに大きい。(了)