欧米に比べ、生活保護の利用率が低いことも指摘されているが、「早めに頼るべき」(藤田さん)という声があるように、私たちには誰しもに利用する権利がある。
生活保護の申請同様、貧困を回避するには、妙なプライドを持たないことだ。「まだ大丈夫」という強がりや「親族に問い合わせがいくくらいなら、生活保護を受けずに頑張る」といった羞恥心は、死にも直結してしまう。
「例えば、この猛暑のなかで“貯金が少ないから、エアコンの修理代や購入費を控える”というのでは、それこそ命にかかわります。
行政側も“貯金が生活扶助費の1か月分程度を切ってから来てください”と言ってがまんさせようとするので、私はまずエアコンや家電製品を新規購入し、貯金を減らしてから生活保護を申請しに行けばいいと伝えています」(藤田さん)
最悪の事態になる前に、頼れる制度はしっかり活用したい。
※女性セブン2023年9月14日号