ゴミ拾いはただの「美化活動」ではなく、体と心、脳を整える“トレーニング”なのかもしれない。
「始める動機は不純でいいんです。“ほめられたいから”“いい人だと思われたいから”“SNSに投稿したいから”“やせたいから”“近所にかわいい猫がいるから”……どんな動機でもゴミ拾いをしているうちに、いつの間にか習慣化して“上機嫌”になれるうえに、動機も達成できているはず」(吉川さん・以下同)
地球環境よりも自分のためのゴミ拾いを
「人生を変えるゴミ拾い」に必要なものは、拾ったゴミを入れるビニール袋と、手を汚さないためのビニール手袋や軍手だけ。屈んで拾うのが腰の負担になる場合は、100円均一で売られているトングなどがあるといい。
「ここでも大事なのは、“上機嫌になれる”ものを選ぶこと。私は、娘のお気に入りのファッションブランドで服を買ったときについてくる、ピンク色のビニール袋を愛用。参加者の中には、1本5000円ほどする“ゴミ拾い専用トング”を使っている人や、拾ったゴミの数を100円均一のカウンター(計数器)で数えている人もいます。また、密閉性の高い登山用のゴミ袋があれば、拾ったゴミのにおいが気にならなくなりますよ」
拾ったゴミは自宅に持ち帰って家庭ゴミと一緒に出すほか、コンビニや商業施設などが近ければ「この辺りのゴミを拾ったので、処分してもらえませんか」と頼めば、受け入れてくれることが多いと、吉川さんは話す。
「割れたガラスや食べかけのお弁当など“拾ったら自分が不機嫌になりそうなもの”は無理に拾わなくていい。たばこが苦手な人は、吸い殻は拾わなくてかまいません。あくまでも、自分が上機嫌になるためのゴミ拾いなのです。また、夜は防犯上のリスクだけでなく、暗くてよく見えずに誤って虫や汚物などを拾ってしまうこともあるので、ゴミ拾いは早朝がおすすめ。夏は朝の5~7時頃だと気温も控えめです」
自分のためにゴミを拾うと、ついでに環境も守れる──「キレイゴト」じゃないゴミ拾いを、あなたも始めてみませんか?
撮影/浅野剛
※女性セブン2023年9月14日号