9月に入り、本格的な台風シーズンが到来した。これから迎える秋の行楽シーズンも予報によれば台風の直撃は免れない。コロナ禍が明けて久々に旅を楽しみたいと考える人が増えたいま、もし悪天候などで旅行を中止せざるを得なくなった場合、費用を取り戻すことはできるのか。
今年は、8月半ばのお盆を直撃した台風7号のほか7月以降の幾度かの大雨で、主に東海道・山陽新幹線のダイヤが乱れ数十万人に影響が出た。新幹線のダイヤが大幅に乱れたり運休したりした場合、すでに購入していたチケットの扱いはどうなるのか。
新幹線の乗車日変更は無料でできる?
飛行機と違い、鉄道の運休には一定の目安があり、JR在来線の場合、「瞬間風速20m以上」で速度制限が始まり、「25m以上」で運転が見合わせとなる。新幹線についても同様で、風速20m以上になると速度制限や運転見合わせが段階的に進む。
運休になった場合は、特急券や乗車券が全額払い戻されるが、事前に天気予報などから「乗車日を変えたい」と思ったらどうなるか。航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんが解説する。
「新幹線の場合、運休が発表されていない時点でキャンセル(=払い戻し)すると数百円の手数料が発生しますが、乗車日や乗車号の変更は1回に限り無料でできます。
ただ、台風7号のときは、運転取りやめが見込まれていたこともあって、手数料なしで払い戻しに対応していました。飛行機と違って特に号数を指定するわけでなく、範囲も日時も広く対応していた印象です」
また、遅延が発生した場合の救済措置も用意されている。JRでは、乗った新幹線や特急の到着が予定より2時間以上遅れた場合には、特急料金が払い戻される。また、新幹線や特急が途中の駅で運転を取りやめた場合にも、区間によって全額または一部の料金が払い戻され、出発駅まで無料で戻ることもできる。
なお、船舶の場合は「欠航すればキャンセル手数料不要」の対応をとっており、欠航が発表される前に自己判断でキャンセルする場合には手数料が発生する会社が多い。
※女性セブン2023年9月21日号