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ファーウェイが5G対応先端半導体を独自開発で復活へ アップル、クアルコムの中国ビジネスに痛手

ファーウェイの復活で米国企業にも痛手(Getty Images)

ファーウェイの復活で米国企業にも痛手(Getty Images)

 米中の覇権争いによって影響を受けるのは中国企業ばかりではない。米国企業も無傷というわけにはいかないようだ。

 アップルの株価は前週(9月4~8日)、6.0%下落した。ウォールストリート・ジャーナル電子版は6日、事情を知る関係者などからの情報として「中央政府機関の職員に対して中国政府はiPhoneやその他海外ブランドのスマホを業務中に使用したり、それらを携帯して職場に入ったりしないよう通達した」と伝えている。

 この件に関する中国政府サイドからの正式な発表は何もないが、多くのマスコミがこの話題を広く報じている。それらの報道についていくつかピックアップすると「これは事実上、国家安全の問題に絡んでおり、高度に重視し、絶えず警戒を怠ってはならない」、「ロシアはすでに同様の措置を実施している」、「西側諸国が華為技術のスマホを事実上使用禁止とする以上、これは合理的な措置である」などといった“政府職員の使用禁止措置”を肯定する意見が目立つ。共産党のマスコミに対する統制力は非常に強力であることを考えれば、これは事実だと考えてよさそうだ。

 ただ、中国本土市場関係者たちがアップル株下落の要因として注目しているのはこの話ではなく、華為技術(ファーウェイ)が8月29日、最新型スマホ「Mate 60 Pro」の発売を発表、9月8日から正式に販売予約を開始した件である。

 Mate 60 Proは自社開発によるSoC(システム・オン・チップ)「麒麟9000s」を搭載、5G対応の機種であり、世界で初となる2つの衛星から信号を受信することが可能な機種(Mate 60 Pro+)である。世界最大(台数ベース)の市場規模を持ち、アップルにとって米国、EUに次ぐ規模の販売地域である中国において、華為技術の復活によってシェアが大きく低下するのではないかといった点を株価下落の理由として挙げている。

 この件で影響を受けたのはアップルだけではない。クアルコムの株価は7日、7.2%下落した。米国メディアはMate 60 Pro、特に麒麟9000sに関する詳細な技術情報について報じており、それが悪材料視されたのであろう。

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