田代尚機のチャイナ・リサーチ

ファーウェイが開発した「Harmony OS2」が米国の安全保障上の脅威になる

ファーウェイの新OS「Harmony OS2」搭載のスマートフォン(Getty Images)

ファーウェイの新OS「Harmony OS2」搭載のスマートフォン(Getty Images)

 グローバルで5Gが普及し始めており、10年以内には6Gが登場すると予想されている。通信速度の加速はIoT(モノのインターネット)の急速な発展を誘発する。スマートフォンから始まり、自動車、テレビ、タブレット、スマートウォッチ、照明機器、その他家電に至るまで早晩、すべての電機機器がインターネットに接続されるようになる。そうなったときに、あらゆる機器を統一して動かすオペレーションシステム(OS)があれば、操作が高速化され、安全性が高まり、使い勝手が格段に良くなるだろう。

 たとえばWindows、UNIXはPC上、iOS、Androidはスマホ上のOSだが、PC、スマホを含めて汎用の電機機器を統一して動かすOSができれば、その利用範囲は極めて広い。それが普及したときに生み出されるビジネスチャンスが一体どの程度の規模となるのか、計り知れない。

 中国の華為技術(ファーウェイ)は6月2日、iOS、Androidに替わるOSとして「Harmony OS2(鴻蒙2.0)」の提供を開始、同時にこのOSを搭載した新型スマホの販売を正式に発表した。さらに23日には、18機種の製品について、AndroidからHarmony OS2への変更が可能になったと発表した。

 このOSの最大の特徴は、スマホだけでなく、様々な周辺機器と自由に接続ができる点である。

 2019年9月には、オープンソース化しており、華為技術の持つコネクティビティ、カメラ、AIなどの分野における核心技術が開放されている。必要最小限となる中核部分をしっかりと決めて、後はそれに付加する形で協力者が力を合わせて全体のシステムを開発していこうという話である。

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