食材を入れてボタンを押し、待つだけで本格的な料理が楽しめる電気圧力鍋。分厚い食材にも早く火が通るので時短につながるのはもちろん、ずっと鍋の前に立たないでよいことも魅力的だ。機能面では圧力調理、煮込み、蒸し調理、低温調理、炊飯、発酵、さらには自動・予約調理に対応する機種もある。こうした便利さから、「生活に欠かせない調理家電になった」と重宝する人がいる一方で、確かに便利だとは思うけど、うまく使いこなせなかったり、結局は必要なかったという人もいる。電気圧力鍋を買ったものの、当初より出番が少なくなったというユーザーに話を聞いた。
「革命的な家電」だと感じたが…
IT企業に勤務する20代男性・Aさんは、少しでも自炊の手間を減らそうと電気圧力鍋を購入した。SNSでおいしそうな料理な画像や感動するコメントを見たからだ。
「豚の角煮、サムゲタン、けんちん汁、肉じゃが、無水カレー……。SNSでおいしそうな画像がいっぱい流れてきたし、『世界が変わる』『もっと早く買えばよかった』という声も多かったので購入しました」
買った当初は、確かに火加減を気にせず、ほったらかしで本格的な料理が楽しめることに感動したAさん。「革命的な家電」だと感じたが、不自由な点もあった。
「結局、食べるまでに意外と時間がかかるんですよね。トータルで50~60分くらいかかってしまう料理も多い。仕事が終わった後は手早く食事を済ませて寝たいので、直火で炒めて作ったり、結局電子レンジ料理になることも多々ありました」(Aさん)
また、容量選択の難しさもあり、以前に比べれば使うことが少なくなったそうだ。
「一人暮らしなので容量が少ないモデルを買いましたが、それでも1食分にしては量が多くなりがち。逆に多めに作って作り置きしようと思っても、何日もストックできるほどの量にはならない。大きいモデルにすればとも思いましたが、そうすると狭いキッチンでの置き場に困っていたでしょうね。僕のライフスタイルには合わなかったということです」(Aさん)