ゆうパックで遺骨を送付する手順は、基本的に一般の荷物を送るときと同じ。送料も遺骨だからといって特別な形態があるわけではなく、ほかの集荷物と変わらない。
だが、梱包にはやはり、多少の気配りが必要だ。
「お墓から取り出した骨壺には水分が入っていることもあります。濡れたままだと輸送中に水漏れしたり、においが出たりすることもあるので、梱包する前に必ず乾燥させてください。
箱に入れる前に骨壺の蓋をテープで固定し、緩衝材を詰めて輸送中にがたつかないようにしておきましょう。中には専用の送付用キットを用意している寺院もあります」
桐箱に入っている場合も、骨壺と桐箱の蓋をテープで固定し、骨壺カバーをかけてから段ボール箱へ。送り状の品名欄にはきちんと「遺骨」と明記しておこう。
「いくら送骨を受け入れている寺院に送るとはいえ、品物が品物なので、事前連絡もなしに送りつけるのはやめましょう。また、火葬の際に発行される『埋葬許可証』、または現在のお墓がある市区町村から発行される『改葬許可証』のいずれかを取得して同封する必要があります。
加えて、縁故者への相談も忘れずに。無断で墓じまいをしたことで“お墓参りに行ったらお墓がなくなっていた”ともめ事になってしまったケースもあります。輸送中に万が一事故があったとしても、遺骨だからといって特別な補償はないので、了承のうえ利用してください」
利用するにせよ、しないにせよ、こんな“最後のインフラ”があると知っていれば、いざというときに悩まないですむ。
※女性セブン2023年10月5日号