一方、今週は28日に9月末配当などの権利落ち日を迎える。配当落ち額は日経平均で225円、東証株価指数(TOPIX)で20ポイント程度との試算がある。他方、指数連動型のパッシブファンドによる配当再投資に伴う先物買い需要は日経平均先物で1500億円強、TOPIX先物では9000億円弱と見込まれている。東京証券取引所が3月末に、株価純資産倍率(PBR)が低迷する上場企業に対して、改善策を開示・実行するよう要請したことを受けて、上場企業は積極的な株主還元姿勢を示し始めている。まずは、28日に日経平均が配当落ち分を埋めることができるかどうかが、相場の強弱感を図る上での試金石となりそうだ。
このほか、28日は株式分割の権利落ちもラッシュとなる。株式分割1対5ではJR東海<9022>、1対4ではアドバンテスト<6857>、デンソー<6902>、ローム<6963>、1対3では村田製作所<6981>、ホンダ<7267>など、日経平均寄与度も大きい値がさ半導体や主力株に株式分割権利落ちが多いことが特徴だ。6月29日には1対25の株式分割権利落ちとなったNTT<9432>の影響などから、当日の東証プライムの出来高と売買代金は大きく膨らんだ経緯がある。28日も市場エネルギーの強さを占う日になると考えられ、権利落ち銘柄の株価動向にも関心が向くだろう。物色面では金利上昇による収益改善期待からメガバンクをはじめとする金融株や、バルチック海運指数の上昇を受けた大手海運株の人気持続が期待される。
今週は25日に金融庁が海外投資家を招待する「ジャパンウィークス」がスタート(-10月6日)、27日に日銀金融政策決定会合議事要旨(7月27-28日開催)、28日は9月末配当・株主優待権利落ち日、29日は9月都区部消費者物価指数、8月失業率・有効求人倍率、8月鉱工業生産などが予定されている。海外では、27日に米8月耐久財受注、28日に米4-6月期GDP確定値、29日に米8月個人消費支出(PCE)コアデフレーター、中秋節・国慶節で上海取引所が10月6日までの休場が予定されている。