文化庁が発表した「国語に関する世論調査」(2018年度)の結果によると、読書量が減っている理由の第1位は、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」で、49.4%と約半数を占めているという。では、読書の時間を確保するにはどうすればよいのか? 著書『読書脳』が話題の、精神科医・樺沢紫苑氏が解説する。
スキマ時間だけで月30冊も読める
「私は月30冊本を読みます」と言うと、「凄いですね。よくそんなに本を読む時間がありますね」という反応をされます。「読書したいけどその時間がない」というのは、読書ができない人に最も多い「言い訳」です。
文化庁が発表した「国語に関する世論調査」(2018年度)の結果によると、読書量が減っている理由の第1位は、「仕事や勉強が忙しくて読む時間がない」で、49.4%と約半数を占めています。つまり、「時間さえあれば、読書したい」と考えている人は非常に多いのです。
私は月30冊本を読みますが、全てスキマ時間だけで読んでいます。スキマ時間といってもいろいろありますが、私の場合は「移動時間」がほとんど。「電車に乗っている時間」と「電車を待っている時間」です。
日本人の通勤時間全国平均は、往復で79分といいます。本を読むのが速くない人の場合、1日1冊は無理だとしても、2~3日の通勤時間を合計すれば約4時間になり、本を1冊読むには十分な時間が積み上がると思います。あなたの通勤時間、あるいは1日の移動時間の合計は何時間でしょう。
自分の家で仕事をしているような人を別にすれば、ほとんどの会社員は、通勤時間、移動時間、約束の待ち時間などのスキマ時間を合計すると、1日「2時間」近くあるはずです。1ヶ月で60時間。そのスキマ時間の60時間を読書に使えば、読書のスピードが遅い人でも、スキマ時間だけで月10冊読むことは可能なのです。