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【精神科医が教える読書術】月30冊読むのはスキマ時間だけで可能 「電車内でスマホをさわるのは時間のムダ」というワケ

読書術とは、いわば時間術である

 会社員、ビジネスパーソンは、忙しい。仕事をしないといけない。帰宅後も家事や家族サービスをしないといけない。「本を読む時間」を確保するのが、簡単ではない人がほとんどだと思います。

 逆にいえば、「時間がないので、本を読めない!」「本を読む時間さえあれば、本を読みたい!」という人は、多いと思います。

 では、本を読む時間をどのように確保するのか? それは、「読書時間」の優先順位を、どこに置くのかという問題と同じです。

「メッセージのチェック時間」を、「読書時間」よりも上の優先順位に置いていると、電車の中では読書よりも「メッセージのチェック」をしてしまう。毎日、何時間もスマホをさわっている一方で、1ヶ月に1冊も本を読めていない、ということになるのです。

 もし、あなたが今よりも多くの本を読みたいのであれば、まず「読書時間」の優先順位をじっくりと考えるべきです。「読書時間」よりも優先順位の低い時間を削って「読書時間」に振り充てればいいのです。

 たくさん本を読める人は、時間管理が上手な人。読書術は、時間術そのものといってもいいくらいです。

出かける前に今日読む本を決めると1日1冊読み切れる

「スキマ時間で本を読もう!」と思っても、ほとんどの人は、最初はそれをしっかり実行できないと思います。1ヶ月のスキマ時間で、せいぜい数冊でしょう。

 私が、スキマ時間を使って1日1冊読み切ることができるのには、ちょっとしたコツがあります。

 それは、その日の外出前に「今日は、帰宅までにこの本を読み終える!」と決めることです。「目標を設定する」といってもいい。今日1日で読破する本を決めて、その本をカバンの中に入れます。そして、その目標を可能な限り守るようにします。

 とにかく、カバンに入れたその本を、1日で読み終えるように頑張るのです。先述したように、目標設定をするだけで記憶強化物質であるドーパミンが分泌されますから、漫然と読むより、記憶に残ります。

「今日1日で読む!」ということは、制限時間を決めるということです。制限時間などが迫った、ハラハラした状態ではノルアドレナリンが出ます。ノルアドレナリンが出ると、こちらも記憶に残りやすくなります。

「今日1日でこの本を読む!」と目標設定をして、制限時間を決めることによって、緊迫感が出るので集中力が高まり、記憶に関係する脳内物質が分泌され、読んだ内容が記憶に残りやすくなるのです。

 もし読み終えないと、明日もその本を持ち歩かなければいけません。8、9割まで読んだ本を、その残りを読むために1日中持ち歩くのは、労力の無駄。

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