夫の「買いだめ提案」に妻が怒った理由
「『値上げすることをきっかけに、少しお酒の量減らしたら? 350ml缶にするとか、2日に1度の晩酌にするとか、やり方はあるんじゃない?』と言われたんです。妻の言い分や提案もよく分かるのですが、晩酌は私の唯一の楽しみなので奪わないでほしいと思ってしまいました」
物価上昇、大学受験を控えた子供にかかる多額の教育費……。増え続ける支出を前に、家計の節約をしないといけないことは十分に分かっているものの、まさか晩酌を減らすように言われるとは思っていなかったそうだ。
「毎日500mlは飲みたい」というススムさんは、あることを思い付く。それは、第3のビールの買いだめだった。
「値上がりする前に買いだめしておけば、当分の間は価格を気にせずに飲めるのではと思ったんです。とはいえ、買いだめするにもお金が必要になります。その件を妻に交渉すると、怒鳴られてしまったんです……」
妻の言い分によると、買いだめはお小遣いの範囲でやってほしいとのことだった。後日、飲んだ分だけ生活費からススムさんに戻されるという仕組みになっている。ススムさんのお小遣いは月3万円。昼食代などのことを考えると、「買いだめできるのは頑張っても2ケースが精いっぱいであることは妻も理解しているはず」と話す。
「私だって値上げは嫌です。賞味期限が短いものでもないし、毎日飲んで消費するのだから、まとめて5ケースくらい買ってもいいと思いますけどね。そっちのほうがお得であることは妻も分かっているはずです。決して多くはない生活費かもしれませんが、第3のビールを数ケース買いだめするくらいの余裕はあるはずです。値上げを理由に私の楽しみを奪っているんじゃないかと疑ってしまいます」
しかし、実は妻が難色を示す理由は他にもあった。「自宅にケースを保管する場所の余裕がない」、「買いだめをすることで今まで以上に飲み過ぎてしまう恐れがある」などが妻の言う理由だった。ススムさん自身、置き場所には困ることは薄っすら想像していたものの、「あればあるだけ飲んでしまう」と飲み過ぎを心配されることについては不快に思ったという。
「私のことを信用していないように感じました。毎日1缶以上飲んだことはないのに……。今回の件を機に、妻からどう思われているのか不安になりました」