目の前に広がるインパネの基本的なデザインやレイアウトはレヴォーグでも見慣れたモノですが、一方でブラックとアッシュ(灰色)をベースとした寒色系のインテリアカラーが採用されていました。ちょっぴり大人というか、落ち着いた雰囲気を醸し出す、こうした色合いを採用したのはスバル初とのことです。レイバックが目指したのは「都会派SUV」ということですから、この仕上げはそのコンセプトに沿ったものということになるわけです。さらにこれまでの2つのカメラに広角単眼カメラを加えた3つのカメラと、レーダーが障害物を認識してブレーキ制御を自動で行い、衝突を回避するという最新のアイサイトや、プレミアムオーディオで知られるHarman/Kardonが装備されています。こうした装備の充実なども含めた上質さを狙った演出も、素直に納得です。
いよいよワインディングに乗り出します。走り出した瞬間から「あ、コイツはいいや」と思わずニンマリです。タイヤの転がり感もステアリングの切り心地も、アクセルに対する加速感も、すべてがバランス良く味つけされ、本当に心地いいのです。別に速さを求めていたわけでもなく、コーナーを攻め込もうとも思ったわけでもなく、ごくごく普通に走り出していきなり心地よさに包まれたのです。「これこそ上質」だと思いました。
ベースとなったレヴォーグもボディ剛性が高く、スポーツ・ワゴンと呼ぶにふさわしいカチッとした切れのいい走りでした。一方、車高を高くしたレイバックは、サスペンションの可動域が長くなったため、実にしなやかで心地よく、コーナーを駆け抜けていきます。その走りには重心が高くなった不安定感など微塵もないのです。しなやかに路面のうねりをいなしながら、きれいに駆け抜けていきます。走りが上質になると、クルマ自体の質感も大きく上がります。この仕上がりこそが「都会派のSUV」を標榜する理由となっているのでしょう。もちろん、このレヴォーグとひと味違った仕上げと方向性には異論はありません。現段階ではまだ価格や燃費などは正式発表になっていませんが、正式販売が待ち遠しいばかり。だからこそ、どうですスバルさん、外観に都会的で華やかさを主張するような味つけを考えてみませんか。