投資情報会社・フィスコが10月2日~10月6日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きとなりそうだ。日米金利差が意識され1ドル=150円突破の可能性はあるが、日本政府による円安けん制がさらに強まり、リスク選好的な円売りが後退した場合、ドルは値を下げる展開となりそうだ。ドル円の150円台が視野に入ると日本政府はけん制姿勢を強め、鈴木財務相は「あらゆる措置を排除せず適切に対応する」と昨年以来の為替介入をちらつかせている。ただ、「昨年と異なり足元のドル円相場はボラティリティがそれほど大きいとは言えない」(短期筋)と介入の実施については見方が分かれる。
一方、足元で発表された米経済指標は堅調な内容が目立ち、連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め方針を後押し。米10年債利回りは2007年10月以来となる4.7%近辺まで上昇し、今週発表の9月雇用統計などが強い内容なら金利高・ドル高は維持される見込み。1ドル=150円台のドル高円安が改めて意識されそうだ。英国、スイスの中央銀行は政策金利の据え置きを発表したが、欧州中央銀行(ECB)も次回以降は政策金利据え置きが予想される。FRBの利上げ余地でドル選好地合いがさらに強まれば、ドルを押し上げる見通し。
【米・9月ISM製造業景況指数】(10月2日発表予定)
10月2日発表の9月ISM製造業景況指数は47.8と、前月から小幅改善が予想される。ただ、先行指数とみられるフィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナスに転じ、9月ISM製造業景況指数が市場予想を下回った場合、ドル売り要因に。
【米・9月雇用統計】(10月6日発表予定)
10月6日発表の米9月雇用統計は失業率が3.7%、非農業部門雇用者数は前月比+17.0万人、平均時給は前年比+4.3%と予想されている。市場予想とおおむね一致した場合、ドル買い材料になるとの見方が多いようだ。