また、変動金利が有利と考える理由はもう1つあり、それは変動金利で借りて返済額を減らした分、資産運用に回せるからです。元本3500万円の場合、固定金利と変動金利では毎月の返済額が2万円ほどの差になります。この2万円を米国株や全世界株などのインデックス投資に回すことができます。
たとえば米国の代表的な株式指数であるS&P500の中長期の利回りは年率6~8%ほどになっており、住宅ローン金利よりも資産運用利回りの方が高いです。こうした状況を認識して資産運用することが、予期せぬ金利上昇への備えになるとともに、老後に向けた資産形成にもつながるのではないでしょうか。
【プロフィール】
塩澤崇(しおざわ・たかし)/住宅ローン比較サービス「モゲチェック」の取締役COO。モルガン・スタンレー証券にて住宅ローン証券化を担当。その後、ボストン・コンサルティング・グループにて大手金融機関などを中心とした戦略コンサルティングに従事。現在は住宅ローンアナリストとして、テレビや新聞などに登壇。TwitterやYouTubeで住宅ローンの最新情報を発信中。SNSでは「モゲ澤」という別名も。