つまり、直線区間で架線をジグザグに張るのは、すり板の摩耗を分散させ、寿命を延ばすためだったのです。
なお、架線をジグザグさせる左右方向の幅の最大値は、パンタグラフのサイズを考慮してあらかじめ決められています。あまり大きくジグザグさせると、架線がパンタグラフから外れてしまうからです。
※参考資料『わかりやすい鉄道技術[鉄道概論・電気編]』p56電車線の偏位
【プロフィール】
川辺謙一(かわべ・けんいち)/交通技術ライター。1970年生まれ。東北大学工学部卒、東北大学大学院工学研究科修了。化学メーカーの工場・研究所勤務をへて独立。技術系出身の経歴と、絵や図を描く技能を生かし、高度化した技術を一般向けにわかりやすく翻訳・解説。著書多数。