キャリア

大学生の恋愛相談から垣間見える「デートDV」の蔓延 「愛情ゆえの束縛」では片付けられない危険な行為

加害者であることを自覚するためには?

 別の私立大学で、学生相談に対応しているカウンセラーの女性・Bさん(30代)は、自分が無自覚のまま加害者になっていないかを確認する意味でも、大学の初年度教育でデートDVに関する啓発が必要だと語る。

「各大学では今、初年度教育の一環として就職活動に関するキャリア教育、またハラスメント関連の座学を導入しているところが増えています。ハラスメントではアカデミックハラスメントやセクシュアルハラスメントについて学ぶ機会は多いものの、そこでデートDVが取り上げられることはまだ珍しいでしょう。

 大学生になれば出会いが増え、恋愛する機会が増えます。そうすると恋や性愛の悩みに直面することも増えていきます。そうしたなか、自分が知らぬ間に加害者になっていないか、男女ともにチェックする必要がある。たとえば、恋人に対して『過去の経験人数は何人?』とか『これまでどのような性行為をしてきたのか?』などと問い詰めたりする人は危険です。それは愛しているがゆえの嫉妬だと錯覚している人も多いですが、人の身体はその人自身のもの。恋人であれ、それを奪うことはできません。

 また『自分の好きな服装をしてほしい』『自分が好みの髪型にしてほしい』などと、身体的な表現を規制したり、強いたりする人もDV加害者の傾向が強いです。このほか『過去の恋人のSNSアカウントを教えてほしい』というネットストーカー行為も危険です。自分がそのような行動をとっていないか、振り返ってみてほしいと思います」(Bさん)

 デートDVは、肉体的な暴力だけでなく、精神的暴力も含む。無自覚のうちに自分が被害者になっていないか、あるいは加害者になっていないか──。(了)

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。