保護者からのクレーム「えこひいきするな」「成績が悪いのは教師のせい」
秋山さんによれば、親から学校に“通報”されることは珍しくないという。
「私は職場まで自転車通勤。仕事が終わり、帰宅途中には、生徒から『秋山先生、さよなら!』等、声をかけられることがあります。挨拶は嬉しいのですが、聞こえていないこともある。すると、親同士のLINEグループでそういった情報が共有されたらしい。“○○さんには挨拶したのに、うちの子供のことは無視した。教師のくせにえこひいきするのか”と学校にクレームが入ったことがありました」
仕事が終わっても自宅に帰るまで気が抜けない。秋山さんの同僚は、帰宅時に駅近くの喫煙所で煙草を吸っていると、生徒の親がその同僚の姿を勝手に撮影した挙げ句、学校に『喫煙現場シーンを押さえた。子供が真似して吸い始めたらどうするのか?』とクレームを入れた。秋山さんの同僚は、「それを教えるのは親の務めなのでは……」と言いたいのをぐっとこらえたという。
教育熱心な親からは、「成績」や「授業」についてのクレームも多い。
「例えば『どうしてうちの子の成績は悪いのか』、『子供が授業中の質問に答えられず恥をかいた。これはイジメではないのか』といった具合。どんな授業をしてもすぐにLINEグループで共有され、何かしらクレームが来るので、半ば諦めているのが現状です」