SNSを通じて行われる“闇バイト”への対応の難しさ
「校内でバイクを乗り回して窓ガラスを破壊するような、いわゆる昔の“不良”っぽい不良は全然いません。それでも深夜まで街でたむろしたり、飲酒、喫煙、万引きといった行為に手を出す生徒はいます」
昨今問題となっている“闇バイト”。こちらも教師たちの悩みの種となっている。
「繁華街、たまり場での犯罪なら、まだ教師が目を光らせることはできるかもしれません。でも闇バイトは、SNSを通じて、教師の目の届かないところで悪い相手と連絡が取れてしまう。さらには悪いことをしている実感が薄く、手軽にできるお小遣い稼ぎのような感覚を持っているので、対処が難しい」
また生徒が警察のお世話になり、親に連絡をしても繋がらない場合は、先に教師が呼び出されることになる。秋山さんは続ける。
「もちろん教師の務めとして対処はします。でも正直、全く悪びれない態度の生徒もいて、そういうのを見ていると、親の教育に疑問を感じたり、どこまで学校教育がカバーすべきなのかと思うことはありますよ。子供の生活をすべて教師が見るのは非現実的なのに、なんでもかんでも負担がこちらに来ている気がします」
教師は、生徒を取り巻く環境の変化にも対応しなければならないが、SNS時代になってその変化はスピードを増している。これまでなかった問題が次々と浮上してきて、現場の教師たちを悩ませているようだ。(了)