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【飲食店の原価】競争激化のラーメン店、「濃縮スープ」がコスト圧縮の切り札に 「4500円で300杯のスープが作れる」

 では濃縮スープの素を使用した場合、ラーメン1杯の原価がどれぐらいになるのか。

「業務用の濃縮スープの価格は3キロで約4500円。お湯で30倍に薄めることで、300杯分のスープが出来上がる。濃縮スープの素を使えば1杯あたりのスープのコストは15円となる。従業員が12時間かけて豚骨を煮込んだ場合、人件費を考えれば1杯あたり100~150円くらいとされ、濃縮スープの6~10倍のコストとなる」(同前)

麺でもチャーシューでもコスト圧縮

 ゼロからつくるのはなく、こうした業務用商品を使うとコストがどんどん圧縮されると前出の業界紙ライターは言う。

「麺も仕入れの量や原料の質によっては1玉20~30円でも手に入る。チャーシューも1キロの塊が1500円。これを20グラムに切り分ければ1枚あたり30円となる。味付き煮たまご、ネギ、メンマなども業務用を使えば50円以内で揃う。チャーシューと合わせてトッピングは80 円で収まるでしょう」

 こうした手段でコストを圧縮していけば、1杯15円のスープに30円の麺を浮かばせ、80円のトッピングを載せて125円のとんこつラーメンが出来上がるという計算になる。ただ、材料費や人件費の値上がりには対応可能であっても、安易に質を落とすと客足が落ちるのも事実。値上げが難しく、「1000円の壁」があるといわれるなか、ラーメン店のコストとの戦いが続く。

(※飲食店の原価・第3回/回転寿司編につづく第1回/ラーメン編・前編から読む

次のページは、【参考】2020年の「そば」「うどん」「ファミレス」「中華」チェーンなどの原価一覧
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