韓国カルチャーを楽しめる街として知られる東京・新大久保。K-POP人気に後押しされるかたちで、かつての原宿・竹下通りのような活気を見せている。だが、そんな新大久保で流通しているのが、K-POPアイドルの非公式グッズの数々だ。「海賊版」と呼ばれる違法コピーのDVDやBlu-ray、アイドルの画像を無断で利用したキーホルダーやうちわ、カレンダー、マグカップ、抱き枕など、あらゆるグッズが販売されている。
もちろんこれらのグッズを製造・販売することは、肖像権、パブリシティ権を侵害する違法行為である。しかし、こうした非公式グッズを購入するファンが多数いるのも現実だ。それぞれのアイドルグループには公式のファンクラブがあり、公式グッズが販売されているにもかかわらず、なぜ非公式グッズを購入するファンが後を絶たないのか。新大久保を訪れ、非公式グッズを買ったことがあるという女性ファンたちのリアルな声を聞いた。
初心者だから違いがよくわからない
「コロナ禍になってから娘たちと一緒にK-POPにハマって、2021年くらいから新大久保に足を運ぶようになりました。最初はBTSですね。BTSのジョングクにハマりまして、そのあとはBTSの弟グループ・ENHYPEN(エンハイプン)のヒスンくんにハマっています。
私は初心者なので、公式とか非公式とかよくわからなくて、とにかくグッズを見たらテンションがあがって爆買いしてしまうんです。娘には『それは非公式だよ』などと言われたりするので、ちょっと反省はしているのですが、これもまた経済を回しているのかな、なんて思って購入してしまうんです。
先日は近所のBTSとセブチ(SEVENTEEN)が好きなママ友と一緒に新大久保に行って、韓国料理を食べたあとにグッズも一緒に購入しました。向こうのママは私よりも大量にスローガン(タオルのような応援グッズ)とか、うちわとか、アイドルの写真が載っている韓国語単語帳とか……色々買っていましたよ」(Aさん/50代・主婦)