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“花のバブル入社組”金融マンが直面する厳しい現実 ポストを失って実務能力もなく、後輩から「粗大ゴミ」呼ばわりも

“花のバブル入社組”金融マンに待ち受ける厳しい現実とは?(写真:イメージマート)

“花のバブル入社組”金融マンに待ち受ける厳しい現実とは?(写真:イメージマート)

 日経平均株価が史上最高値の3万8915円87銭を記録した1989年。日本は空前の好景気に湧いていた。新卒の就職は売り手市場で、どの業界も通常より多く採用した。いわゆる“バブル入社組”だ。経済が上り調子だった時代を経験している彼らは派手好みでコミュニケーション能力が高く、勢いのある人材が多かったと評される一方、「とにかく大量に雇用したので玉石混交、中には使えない人間も多い」と陰口を叩かれる世代でもある。

 そんなバブル入社組も50歳を過ぎ、サラリーマンとしての先も見えてきた。特に金融業界では役職定年の時期が早く、50~55歳でポストオフの洗礼を受ける。

 大手都市銀行を65歳で退職後、キャリアコンサルタントの資格を取った男性・Aさんは次のように語る。

「実際のバブル期は1986年から1991年くらいまでのことを言うようですが、就職の面から見ると、有効求人倍率は1988年くらいからグンと上がって、1994年くらいまで新卒の売り手市場は続きました。バブル入社組とはこのあたりで就職した人たちの事を指します。

 金融業界ではこの時期、通常の2倍くらいの人員を採用しました。ところがすぐにバブルは弾け、日本は失われた30年に突入します。仕事は減っていくのに人材はダブついているという、歪な時期が長く続くのです」

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