愛するものを大切に扱いつつ、新井さんはいま終活を意識するようになったと話す。
「本は私たちが死んでも古本屋に引き取ってもらえれば、“第二の人生”が見込めるので心配いりませんが、問題はぬいです。生きているから捨てられないし、一緒に棺に入れて燃やすと“殉死”させることになってしまう。だからネットでぬいの写真を公開して、もらい手を募り里子に出すことを考えています。私の葬儀後、参列者1人につき3体のぬいを持っていってもらうのもいいですね」
【プロフィール】
新井素子(あらい・もとこ)/1960年東京都出身。高校在学中の1977年、『あたしの中の……』が、星新一氏の絶賛を浴び、第一回奇想天外SF新人賞佳作に入選、作家デビュー。その後幅広いジャンルの作品で人気を博し、現在も旺盛な執筆活動で絶大な支持を受ける。
※女性セブン2023年11月9日号