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メガバンクは支店・ATM統廃合、手数料値上げの“利益・効率重視”で空前の好業績 「儲からない客」は切り捨てへ

メガバンクの業績好調の陰で利用者たちの嘆きも(時事通信フォト)

メガバンクの業績好調の陰で利用者たちの嘆きも(時事通信フォト)

 3メガバンクグループの業績が好調だ。2023年3月期決算では、三菱UFJ、三井住友、みずほの3FG合計の連結純利益が前期比5%増の2兆4778億円になり、9年ぶりの高水準を記録。2024年3月期の同純利益(予想)は、前期比10%増と2005年以降で最高益が見込まれており、11月中旬発表予定の中間決算の数字にも注目が集まる。

 金融ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。

「米国を中心とした利上げに伴う海外融資の利ざや拡大、円安に伴うドル建て海外資産の収益の嵩上げが好業績の主因でしょう。メガバンクの海外売上比率は、今や半分近くを占めています」

 一方、3行は日銀がマイナス金利政策を導入した2016年以降、経営環境の悪化を見据え、支店の統廃合などを推し進めてきた。

 三菱UFJ銀行は2017年度に515あった店舗を、今年度末までに約320まで減らす計画で、三井住友銀行は2017年度に448あった店舗を400に削減。そのうち250店舗を2025年度までに小型店に転換する。みずほ銀行は2017年度に約500あった店舗を2024年度末までに約370まで減らす予定だ。

 銀行の支店統廃合で「不便を強いられている」と嘆く利用者は多い。

「近所の支店がなくなっちゃって、手続きや取引を全部ネットで行なうよう勧められたが、不慣れな操作に戸惑うばかり。結局、窓口に頼ることに。でも、遠方の支店は車で30分以上かかるうえ、店内はいつも大混雑。使い勝手が悪くなっていると感じる」(70代男性)

 人員も減ってきた。

「メガ3行は2024年までに合計3万人超の人員減が見込まれています。機械化による業務の合理化のため、窓口で顧客に応対する時間をなくし、ATMやインターネットバンキングでの取引に誘導する傾向が顕著です。対面での顧客サービスが不採算部門となった今、預金額の少ない『儲からない顧客』は切りたいのが本音でしょう」(森岡氏)

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