パチンコホールチェーンを経営するガイアが10月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、保全・監督命令を受けた。グループ7社の負債額は合計で約1133億円で、パチンコホール事業者の倒産としては、過去最大となる。同日、金融会社のJトラストは、ガイアのグループ各社の再建支援で基本合意したと発表。今後は、ホールの営業や従業員の雇用を維持しつつ、債権者への弁済を進めていくことになるという。
1984年に設立されたガイアは、2007年には全国で約200店を展開するなど、マルハン、ダイナムに次ぐ業界3位だったこともある大手チェーン。2007年5月期には5853億円の売上があったが、その後下降線をたどり、2023年5月期には売上1895億円にまで落ち込み、店舗数も83店舗となっていた。
パチンコ業界では、ガイアの倒産に関する噂は以前から囁かれていたという。パチンコ業界に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「もともとガイアの資金繰りが苦しいという話は、関係者の間でずっと囁かれていましたね。そのうえ、コロナ禍で客足も激減し、ガイアの店舗まるごとが別の法人に売却されるケースも増え、ガイアもそろそろ危ないのではないかと言われていました」
一般ユーザーも経営情報に敏感になる時代
倒産の予兆は、パチンコ業界関係者だけでなく、一般のパチンコユーザーにも知れ渡っていたという。
「いまはSNSやYouTubeなどで、パチンコ業界の内部の情報を発信するアカウントがあって、一般のユーザーが業界内のいろいろな噂を知る機会が増えているんです。10月の頭には、大手ホールが倒産するかもしれないという情報がすでにネット上で発信されていて、ユーザーの間でも『ガイアが危ない』と名指しされていました」(藤井氏・以下同)
近頃は、一般のパチンコユーザーも、ネット上に存在するさまざまな内部情報に敏感になっているようだ。
「ユーザーにとってもっとも重要なのは、出玉の還元が良いホールを見つけること。経営が悪化しているホールは、当然ながら出玉でのサービスも良くないし、ユーザーが負ける可能性が高くなってしまいます。だからこそ、ホールの経営状況に関する噂は、ユーザーにとっても重要なんです。単純にパチンコやパチスロを打ちたいだけの“エンジョイ勢”にはあまり関係ない話かもしれませんが、“勝ち”にこだわるユーザーの中には、ネット上でさまざまな内部情報を探して、それをホール選びの参考にしているケースもあります」