子どもの教育資金をどう貯めるかは家計の大きな課題のひとつだろう。教育資金を貯めるために、来年1月から改正する新NISA(少額投資非課税制度)をどのように活用すればよいだろうか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第69回は、「教育資金の準備」について。
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ジュニアNISAが今年いっぱいで廃止になることから、子どもの教育資金をどう準備しようか迷っている人も多いようです。新NISAでは投資枠が広がるため、保護者の投資枠を使って積立投資をするのも一案です。ただし、目標年まで期間が短い場合は注意も必要。どのように教育資金を準備するのがよいか考えてみましょう。
意外と頼もしい児童手当
まだ教育費がそれほどかからないときに受け取る児童手当は、大学資金としてはあまり意識されていないかもしれません。児童手当は、0~3歳未満で月1万5000円。3歳から小学校終了前は1万円(第3子以降は1万5000円)、中学生1万円です。児童手当には所得制限がありますが、制限にかからないとしたら、15年間の合計で198万円の児童手当を受け取れます。
大学の費用としては国立か私立か、また学部によっても違いますが、500万円あればおおむね間に合うと考えられます。約200万円の児童手当を、大学費用の原資として利用しない手はありません。
学資保険は向き不向きがある
わたしが出産したころ(20年以上前)は、子どもが生まれるとすぐ学資保険に入るというのが定番でした。途中解約しなければ利回りがいちばんよいとされていたからです。ところが、今のように低金利だとそれほど利回りは高くないうえ、親の死亡保証など保険料も加算されるため、決して有利な商品とは言えなくなりました。
ただし一概にダメともいえず、毎月自動的に銀行口座から引き落とされ、途中解約がしづらい学資保険は、ついつい手元にお金があると使ってしまう人には向いているとも言えます。