藤川里絵「さあ、投資を始めよう!」

子供の大学資金を準備するための「児童手当」と「新NISAを使った積立投資」 元本割れリスクを軽減する考え方

新NISAで毎月1万円の積立投資

 今後、インフレが進行するリスクを考えると、貯金だけで大学資金の準備をするのはハードシングスです。となるとやはり頼りにしたいのはNISA内での積立投資です。毎月1万円を18年間、平均利回り5%で運用できれば投資元本216万円に対して、346万円になりますので、児童手当と合わせれば十分な資金になります。

 とはいえ、これはあくまでも仮のシミュレーションです。投資ですから、元本割れのリスクはゼロではありません。とくに投資期間が短いと元本割れのリスクは高まります。

 過去のデータでは、世界株式に積立投資をした場合、5年間の運用期間だと25%の確率で元本割れをしています。これはなかなかリスキーですね。大学入学まで5年しかない場合は、貯金や元本割れのない国債のほうが安心でしょう。運用期間が10年だと元本割れは8%、15年だと5%の確率になります。また、15年運用する場合は、約50%の確率で元本が2倍に増えています。

 これらを勘案すると、大学入学までに15年以上ある場合は、児童手当を貯めつつ、世界株式への積立投資を毎月1~2万円すれば万全でしょう。逆に5年に満たない場合は、元本割れのリスクがある金融商品は避けて、貯金か国債を活用しましょう。大学入学までに準備が間に合わない場合は、奨学金を利用する手もありますが、返済が必要な奨学金は、子どもが社会人になってからの生活を圧迫します。その点はくれぐれも留意してください。

 大学入学まで5年以上15年未満の場合は、貯金と積立投資の両輪で用意するのがベターです。万が一、大学入学時に積立投資が元本割れしていても、その年は貯金でカバーできれば、翌年には元本割れが回復しているかもしれません。それくらいのバッファがあれば安心です。

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