投資情報会社・フィスコが11月20日~11月24日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きとなりそうだ。米国の消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)でインフレ沈静化が鮮明になっている。12月開催の次回連邦公開市場委員会(FOMC)の会合での政策金利据え置きやその後の引き締め休止を市場は織り込み始めた。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は目標レンジ内に収めるには引き締め継続が必要と指摘している。一方、日本の7-9月期国内総生産(GDP)はマイナスに転じ、国内経済の失速が顕著になった。GDPデフレーターの上昇でインフレは加速しているが、実質賃金のマイナスで日銀の緩和修正は困難との見方から円安が進む。ドル円は昨年の同時期とよく似た相場展開だが、ここまで実弾介入を実施しておらず、150円台ではドル買い・円売り安心感も広がる。そのため徐々に上値を切り上げており、33年ぶりの152円台を目指す値動きが想定される。
【FOMC議事要旨】(21日公表予定)
FRBは21日、FOMC(10月31日-11月1日開催分)の議事要旨を公表する。インフレ抑止の姿勢を維持するものの、年内利上げ見送りの意見も見込まれ、ドル売り材料となりそうだ。
【米・11月製造業PMI速報値】(24日発表予定)
24日発表の11月PMIは製造業が49.8と、景気の好不況の境目である50をやや下回る見通し。引き締め観測は後退し、金利安・ドル安が見込まれる。